【ね〜え?】

 

 






――――俺の恋人はよくわからない。

無口なところがカッコイイって評判だけど、

無口にもホドがあると思いませんか?

何を考えてるのか全然わかんなくて…

俺様、チョッピリ不安。

 

「司馬!今度の日曜デートするからな!」

 

いつものように勝手に決めて、俺は司馬の前に立ち、そう声をあげた。

そんな俺を見て司馬はコクリと頷き優しく微笑む。

 

…ホント、わけわかんないやつ。

いつも俺に勝手に決められて怒ったりしないのか?

わざと司馬の用事のある日にデート入れたりするのに

優しすぎてイライラする…。

まったく何考えてるのかわかんない!

 

「じゃあ日曜の午後1時に駅前でな!」

 

そう言い残し去っていこうとした俺にスバガキが話しかける。

 

「ちょっと〜、司馬君、次の日曜は僕と約束してたのに、兄ちゃんずるいよ!」

「断らない司馬が悪いね」

「ひっどーい!わかっててやってるの!?それイジメじゃない!司馬君可哀想!」

 

俺もヒドイと思うけどさ、よくわかんない司馬もヒドイと思わない?

ねぇ、そうでしょ?

どうして俺の言うことなんでも聞いちゃうの?ねぇ!

 

ケンカしている俺たちを見て司馬がやってきた。

そして困ったように微笑みながらスバガキに何か言った。

 

「え?僕との約束は土曜にする?」

「あ、やっぱデート土曜に繰り越そうかな〜」

「兄ちゃん!」

 

再びケンカしだす俺たちを見て、司馬は困ったようにオロオロしだした。

 

…ねぇ、ハッキリしてよ!

優しすぎるだけじゃダメなんじゃない!?

ねぇ!俺が調子づいちゃうだけでしょ!

もう…迷うなー!!

 

恋人のわがままと友達、どっちが大事なの!?

大事にしてもらえるのは嬉しいけど、わがままを全部許されるのはヤダ!

叱るときは叱ってくれなきゃイヤなの!

司馬が好きだからそんなのはイヤなのー!

 

「決定!デート土日連続!雨天決行〜!」

「兄ちゃんヒドイ!」

 

また勝手なことを言い出す俺にスバガキが本気で怒ってる。

怒ってもらいたいのはスバガキじゃないのに…。

 

するとオロオロしながら司馬が近寄ってきた。

ん?なんだ?また曖昧な笑顔で俺のわがまま受け入れちゃうの?

 

俺がムっとしながら司馬を見上げてたら

司馬は俺に軽くデコピンしてこう言った。

 

「コラ、わがままばっかりはダメ。…3人で、いこうよ?」

「…!」

 

――――無口にもほどがある俺の恋人がはじめてしゃべった。

俺が告白したときだって頷いただけでしゃべらなかった恋人が…。

…そして…やっと…怒ってくれた///

 

「…司馬…」

 

俺は額を押さえて顔を赤くし、ポーっと司馬を見上げた。

すると司馬はニコっと微笑んで俺の頭をなでてくれた。

 

…へへ、司馬もやればできんじゃん…。

 

…と、俺たちがいちゃつきモードに入ってたら、スバガキはしらーっとした目でこう呟いた。

 

「…バカップル二人の付き添いなんかやだよ〜だ。土日二人でいってらっしゃ〜い。

…ハァ、結局ラブラブなんじゃん…。僕も恋人ほしいなぁ…」

 

と、気付いたときにはすでにスバガキは外へ出て行ってしまっていた。

…ありゃ?なんでだろ?

 

…まぁ、いっか。

 

――――俺の恋人は無口にもほどがある、ちょっとヘンな恋人だけど、

やるときはやれる…やっぱり、みんなが言うようにカッコイイ恋人なんです!

わがままになっちゃうのも…司馬が好きだから♪

これからも意地悪しちゃうかもしれないけど…

…ね?

 

「…よろしくな、司馬♪」

 

チュっと音をたてて司馬の頬にキスし、俺はニカっと笑った。

 

――――と、いうわけで…

司馬は最高の恋人です♪

 

(バカップルに付き合わされる身にもなってよね…)By兎丸

 

FIN


馬猿キリ番を踏まれた椎名まい様へ☆

お題が「セクシーなの?キュートなの?どっちが好きなの?」だったのに

お題無視してすみません!まったく「セクシーなの?キュートなの?」じゃなくなりました(涙)

「ね〜え?」をテーマにはしてみたのですが…(涙)

こりずにまた是非踏んでくださいね♪

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